こんにちは、アルパカです。
トルコリラの下落が止まりません。
10日に一時20%暴落し、1リラ=16.1円まで下げました。その後、やや値を戻し17.2円付近で推移してました。
トルコリラが暴落した背景には、米国による関税の引き上げが考えられます。
I have just authorized a doubling of Tariffs on Steel and Aluminum with respect to Turkey as their currency, the Turkish Lira, slides rapidly downward against our very strong Dollar! Aluminum will now be 20% and Steel 50%. Our relations with Turkey are not good at this time!
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) August 10, 2018
トランプ大統領はTwitterで、「トルコのアルミニウム製品に20%、鉄鋼には50%の関税を課すことを承認した!」とし、関税率をこれまでの2倍に引き上げる方針を発表しました。
また、「現在トルコとの関係性は良くない」とも発言しています。
止まらないトルコリラの下落
そして、日本時間13日(月)再び下落しています。
一時15.5円をつけています。容赦ない下げですね。。。
2018年の急落は異常
もともとトルコリラは2015年以降、下落基調でした。しかし、今年に入ってからの急落はチャートを見てもわかるとおり、異常なレベルと言えます。
余談ですが、アルパカは2013年にトルコを2週間ほど旅していました。その時は1リラ=50円ほどでしたが、それが20円を切るなんてちょっと考えられない水準です。
サバサンド美味かったなぁ。
トルコリラ急落の理由は?
①エルドアン大統領の独裁政治
現在、トルコはエルドアン大統領が再選したことで完全なる独裁政治となっています。
トルコは昨年末あたりから急激なインフレになっています(16%!!)。インフレが進めば通貨価値の下落につながるので、本来であれば利上げによってインフレを抑える必要があります。ところが、エルドアン大統領は金利を引き上げるべき時に、中央銀行に対して金利引き下げの圧力をかけるなど、まともに金融政策が機能していない状態です。国民に対して、リラ買いを求めていたいしますね。
5,6月あたりには利上げを行い、下落は落ち着いていましたが、6月にエルドアン大統領が再選し、その直後の政策金利発表時に金利据え置きとなったことから、これ以上の利上げは厳しいのではないかと推測が強まり、再び下落に入りました。
そして、先週末のトランプ大統領の表明です。
全面対決してる場合じゃないですが、そうもいかない感じでしょう。
格付け低下と信頼喪失
①で書いたように、インフレと利下げによってトルコリラが急落しています。
インフレについては昨年末から始まっており、S&Pなど、各機関でも懸念される声が表明されていました。
実際、3月に別の格付会社であるムーディーズがトルコの長期国債格付けを自国通貨建てと外貨建てでともに「Ba1」から「Ba2」にそれぞれ 1 段階引き下げました。格下げ理由として、金融政策の有効性の減退や構造改革の遅れなどで示されるような行政機関などの弱体化と、外部債務の増加や政治リスクにより外的ショックに対するリスクが増していることを挙げています。
どこまで下がる?今後のトルコリラはどうなる?
現状、インフレが改善されておらず、それを打開する有効な手立てがないことから下落基調はしばらく続くかもしれません。
ただ、エルドアン大統領もインフレと通貨安については危機感を持っているようですので、どこかのタイミングでは利上げに踏み切ることも考えられます。さすがにこのインフレは尋常じゃないですし。。。
アルパカは、どこかで下げ止まり20〜22円くらいまでは戻ると見ています。
日本に長年住んでいるとインフレなんて無縁ですが、海外、特に南米ではよくあることです。私自身、アルゼンチンがデフォルトした際にアルゼンチンにいましたが、街はやや騒然としていましたね。「やや」というのは過去8回ものデフォルト常習犯であり、国民も慣れている部分があったかのように感じました。「あぁ、またかよ」といった感じで。
トルコリラ、今後の動向に注目です。
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